ニンジャスレイヤーTRPGリプレイ 第1集第2話セッション編


第1集第1話アフター編<<戻る>>第1集第2話アフター編


「いやはや。私の様な者にまで護衛をつけていただけるとは、まことに感謝してもしきれません。お手数をおかけします」
 走行中のヤクザリムジン。車内の涼しく快適な空気の中、そのサラリマンは人の好さそうな笑顔で何度も頭を下げた。

 そこにいるのは、ソウカイ・シンジケートに所属する3人のニンジャ。その内の1人が、指先に小さな紙片を挟み、何とは無しに眺めている。
 紙面には、『ネコソギ・ファンド社係長・アシタダ・ヤタウジ』と印刷された文字。
 それはつい先程、そのサラリマン、ヤタウジが渡した名刺だ。

「係長……。係長ってのは、偉いのか?ヤタウジ=サン。重役会議に出るって事は」
 無感動な仏頂面を名刺に向けたまま、そのニンジャはヤタウジに尋ねた。
 彼等はストリート育ちでギャングを経てソウカイヤクザとなったニンジャ達だ。会社という概念に疎い。
「ハハハとんでもないドヤスナックル=サン。今回の会議では雑用係の様なものでして。
 重役の方々を差し置いて私が狙われる可能性など、万に一つも無いでしょう。どうぞリラックスして下さい」
 ヤタウジは遠慮深い態度でニンジャの問い掛けに応えながら、重役会議の準備をするべく資料をテーブル上に広げた。
 ドヤスナックルはそれ以上興味を示す事無く気だるげに宙を眺める。彼以外の2人のニンジャも同様である。

 運転クローンヤクザの操るヤクザリムジンの車内には、弛緩して寛いだアトモスフィアが漂っていた。



NM では、セッションを始めよう。今回は、古矢沢(コヤザワ)=サン作『リムジン護衛任務(仮題)』というシナリオを行う。
 キャラクターシートは準備オッケーかな?

PC−A『ドヤスナックル(Doyasu knuckle)』

 カラテ:5   ニューロン:5   ワザマエ:4   ジツ:1(カラテミサイル)

 体力:5   精神力:5   脚力:3   イニシアチブ:5   回避ダイス:5

所持品:万札1
PC−B『サルファーヘッド(Sulfur head)』

 カラテ:4   ニューロン:3   ワザマエ:4   ジツ:1(カトン・ジツ)

 体力:4   精神力:3   脚力:2   イニシアチブ:3   回避ダイス:4

所持品:ツーハンドフランベルジュ(カタナ相当)   万札0
PC−C『バグズガズラー(Bugs guzzler)』

 カラテ:6   ニューロン:5   ワザマエ:3   ジツ:0

 体力:6   精神力:5   脚力:3   イニシアチブ:5   回避ダイス:6

サイバネ:戦闘用バイオサイバネ(近接攻撃のダメージ+1)   サイバネアイ(ワザマエの判定に+2d)

所持品:万札0

NM 事前情報が多いからセッション前に導入部を配ったけど、読んだ?

プレイヤーB→サルファーヘッド ゲートキーパー=サンの命令で、重役会議に出席するネコソギ・ファンドの社員を護衛すれば良いんだな?
 重役はシックスゲイツのヘルカイト=サンが護衛しているから、俺達のチームは係長の護衛と。

NM そういう事。ソウカイヤは、フリーの傭兵ニンジャ『アーバンホエール』が敵対企業に雇われてネコソギ・ファンドを襲撃するという情報を掴んだ。
 で、今回の重役会議の出席者全員にソウカイニンジャを護衛に付けた。君達の担当は係長のヤタウジ=サンという訳だ。
 当然ながら、ヘルカイト=サンの護衛する重役達が最も危険性が高く、相対的に君達の任務は危険性が低いという事になる。

プレイヤーC→バグズガズラー でも襲撃して来るんだろ?

NM そりゃそうだ。そうでないとシナリオにならないもの。

プレイヤーA→ドヤスナックル アーバンホエール=サンはピストルカラテの使い手か。下手すると深手を負うかもな。

NM 確認が済んだ所で、始めようか。みんな、ニューロンで判定してくれ。
 ……そうだな。自分がちゃんと警戒していたと思うなら目標値4、ぶっ弛んでたと思うなら目標値5だ。

サルファーヘッド 自己申告制かよ!? じゃあ、ぶっ弛んでたんで目標値5だな。[145]1個成功。

ドヤスナックル 俺もぶっ弛んでる。[12556]3個成功。

バグズガズラー 俺も当然ぶっ弛んでるぜ。[44666]3個成功。

NM やる気の無え奴らだな!?

バグズガズラー 俺達の護衛対象は係長だぜ? 襲撃なんか来るわけねえって。

NM お前は自分がさっき言った事を思い返しとけ。
 まあ、それでもきっちり成功しているのは流石と言うべきか。……君達は剣呑な気配を感じ取る事だろう。

「しっかしスゴイ車だよなあ」
「いや本当に。私ごときにこの様な車を用意して頂けるなんて、恐縮です」
 もの珍しげに車内を見回すバグズガズラーに、会議の準備をしながら相槌を打つヤタウジ。
「係長でこれなら、重役はもっとヤバイ車に乗ってんのかい? ヤタウジ=サン」
「いえいえ。この車と同じものに乗っておられますよ。重役の方々と同じ車に、私達も乗せて頂いている、と言った方が正しいでしょうか」

「同じ車……?」
 その言葉を聞いたとき、ドヤスナックルのニンジャ第六感が微かな警報を鳴らした。
「はい、車種も見た目も全く同じ、各所に対スリケン加工が施された最新型リムジンです。まさか私に乗る機会があろうとは」

「同じか。全く同じか……」
 ニンジャ第六感の警報は、もはや錯覚では有り得ない強さでドヤスナックルに訴える。
 そして、サルファーヘッド、バグズガズラー。彼等も同じく、微かな、しかし確かに迫る危険を感じ取っていた。

「あ、あの……何か気に障る事でも……」
 不安げにニンジャ達を見回すヤタウジに、サルファーヘッドは薄気味悪い笑みを返す。
「フヘヘ。いやあヤタウジ=サン。アンタ気が利くなあ。出世するぜ」
「え、そ、それはドーモ……」
 サルファーヘッドはヤタウジの頭に手を置く。そして、素早くテーブルへと叩き伏せた。
「アイエッ!」

 その瞬間。

 KRAAAASH!
 防弾ガラスを撃ち破り、一条の銃弾が、先程までヤタウジの額があった所を通過する。

 ニンジャのイクサにも耐え得る最新型リムジンのウィークポイントを突き、ヤタウジのバイタル反応を精密に狙撃して来た。
 3人は、襲撃者が相当な手練れである事を感じ取る。

「片付けて来る。床に転がっていろ」
「ヨ、ヨロコンデー!」
 テーブルの下で丸まったヤタウジを見やり、ドヤスナックルは銃弾が来た方とは反対側の窓を開ける。
「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」
 ドヤスナックル、バグズガズラー、そしてサルファーヘッドは、襲撃者を迎え撃つべくリムジンの上へとその身を躍らせた。



NM これが今回の戦闘マップ。下側の枠(《C−8》〜《I−11》)が君達の乗っているリムジン、上側の枠(《E−3》〜《K−6》)が追走して来た襲撃者のリムジンだ。
 君達は下側の枠内ならどこでも自由に初期配置を決めて良い。
 ただ、配置を決める前に、今回の戦闘ルールを説明しておかなきゃならないね。

・リムジン上は足場が悪い為、回避の難易度がHARD(目標値5)になる。
・枠(リムジン)の外のマスは『道路』であり、通常のルール通りに通過する事が出来る。ただし、『道路』で移動を終了した場合、置き去りにされて戦闘を離脱する。

NM 以上2点が通常の戦闘ルールと異なる点だ。

ドヤスナックル オッケー。さて、配置はどうするか。

バグズガズラー 距離を取って勿体ぶる意味が無え。最前列に陣取ったら良いだろ。

サルファーヘッド 賛成。いかにも射撃して来そうな敵だ。向こうのリムジンに飛び乗ってフクロにする体制で行こうぜ。

ドヤスナックル 成る程な。決まりだ。

NM 了解。じゃあ、戦闘を開始しようか。



 アーバンホエールはリムジンの上に立ち、拳銃を向けザンシンしたまま、ターゲットを乗せて隣の車線を走るリムジンを睨み付けた。
「フン、察したか。始末出来れば極めて簡単だったのだが」
 車内から発せられるモータルのバイタル反応は存続。そして、その車内から躍り出た3人のニンジャがアーバンホエールと対峙する。

 まず、中央に立つニンジャを見る。
 所々の裂けたラフなレザージャケットとジーンズの形状をしたニンジャ装束。
 長い端切れの様な黒い布を、口元を中心として顔に乱雑に巻き付け、メンポとしている。
 そのニンジャは、右拳を左掌に打ち付け、アイサツした。
「ドーモ、ドヤスナックルです」

 次に、その左側に立つニンジャを見る。
 ニンジャとしてはオーソドックスなトラディショナルスタイルの装束とメンポ。
 ただし、その色は足先から胸までが明褐色、腕と肩から上が赤という、奇抜なツートンカラーだ。
 そのニンジャは、波打った刃を持つ大剣を眼前に捧げ持ち、アイサツした。
「ドーモ、サルファーヘッドです」

 そして、反対側に立つニンジャを見る。
 ゴーギャング・コートを模した丈の長い深緑のニンジャ装束。
 手入れの悪い萎びたモヒカンの生えた頭部には、マスク状のメンポと、サイバネアイと思しきゴーグル状のカメラアイが装着されている。
 そのニンジャは、右腕の代わりに伸びるバイオハエジゴクを足元に垂れ下げたまま、左掌を立てて、アイサツした。
「ドーモ、バグズガズラーです」

「ソウカイヤのニンジャ共め……」
 ターゲットを護衛する邪魔者共のアイサツを受け、独りごちるアーバンホエール。その左右の手には、それぞれ拳銃が握られている。
 片方は、長い銃身を持ち精度の高い狙撃用の拳銃。もう片方は、銃身にベイオネットが取り付けられた速射性の高い格闘用の拳銃。
 アーバンホエールは、2挺の拳銃を胸の前で交差させ、アイサツした。
「ドーモ、ソウカイ・シンジケート=サン。アーバンホエールです。
 そこにいるターゲットを始末すれば、重役会議は進行不能。ネコソギ・ファンドに致命的な損害を及ぼしてくれようぞ」

 構えを取り、高らかに宣言するアーバンホエール。ドヤスナックルは内心呆れ返り、嘆息する。
 サルファーヘッドとバグズガズラーも同様に、愚かな刺客に対する侮蔑と嘲笑のアトモスフィアを発し、ドヤスナックルに軽く意識を向けた。

(どうする? 教えてやれば、とっとといなくなるかも知れないぜ? ここにいるのは、重役でも何でもねえってよ)

 チームメンバーの声無き問い掛けに対するドヤスナックルの返答。それは……獰猛にして凶悪な殺意のアトモスフィア!

(下らねえ。俺達はブッダじゃねえんだ。俺達の邪魔をしにきた馬鹿は……ぶっ殺してやりゃあ良いんだよ!)

「フヘヘ」「ガハハ」
 サルファーヘッドとバグズガズラーは満足の笑みを零した。そして、それぞれ同じく殺戮のアトモスフィアを発し、イクサに身を投じる。



NM さて、戦闘開始。敵はアーバンホエール、そしてクローンヤクザが2体だ。
 ドヤスナックルがバグズガズラーより先に行動するって事で良いんだよね?
 行動順は、ドヤスナックル→バグズガズラー→アーバンホエール→サルファーヘッド→クローンヤクザ、ってなるよ。

ドヤスナックル まずは頭数を減らす。その場でクローンヤクザ2体にカラテミサイル。[133446]成功だ。

GM では、クローンヤクザは2体ともカラテミサイルを受けて吹き飛んだ。

バグズガズラー 次は俺か。通常の移動で《F−6》。アーバンホエールにカラテだ。[446666]何かスゲエ目が出たけど。

GM いきなりサツバツか! どうしよう、絶対に喰らう訳には行かないが……。4個で[1255]回避!
 今度はこっちの番だ。アーバンホエールの『ピストルカラテ』は、ベイオネットによる刺突と発砲の組み合わせで、『連続攻撃2』になる。
 カラテは6だから……。そうだな、まずはオーソドックスに3ずつ。『攻撃集中』で[346][235]3個成功と2個成功だ。

バグズガズラー じゃあ俺も単純に、ダイス3つずつで回避するぜ。[246][445]ふーっ! 両方避けた!
 流石にカウンターカラテを決めるのは無理そうだな。

サルファーヘッド 回避の目標値が5だからな。避けるだけでも御の字だろ。
 ……さて、さっきの連続攻撃が俺に来られるとキツイな。ひとまず隣接も避けて《H−4》に『連続側転』。目標値4で[1236]成功。
 そしてスリケンだ。連続側転の修正が入って目標値5だが[1366]成功。

※このセッション当時のルールでは、『近接武器』装備中の『連続側転』『射撃』におけるペナルティはありませんでした。

NM 残りの2個で回避[11]げえっ、失敗! 酷い出目だな! 1ダメージを喰らう。



ドヤスナックル 幸先が良いな。次のターン。俺も殴り合いに参加する。《G−5》まで普通に移動して隣接。カラテだ。[14466]良い目だ、サツバツだな。

NM どいつもこいつも目が良いな! んーっ……! 3個で回避[146]成功!

バグズガズラー 苦労してるなあ。ここは押せ押せだぜ。『攻撃集中』して[123346]4個成功。

NM 回避を1個残しても、サルファーヘッドが『フェイント斬撃』で削って来るだろ……。あー、でも使い切ったら『強烈なイアイドー斬撃』が来るのか……。

サルファーヘッド 随分悩んでるなあ。

NM 悩むよ! 回避ダイスを消費してお前にチマチマ削られるって、前回と同じ展開だからな!
 ええい、2個で回避[33]グワーッ! 失敗! 2点ダメージでだいぶ堪えた様子を見せている。

ドヤスナックル 出し惜しみして喰らうとはご愁傷様だ。サルファーヘッドの攻撃を入れて3点になる。欲を掻いて傷を拡げたな。

NM うるさい。サルファーヘッドの攻撃が当たると決まった訳じゃないし、そもそも次はこっちの番だ。
 アーバンホエールは、《G−3》に通常移動。サルファーヘッドに『ピストルカラテ』を叩き込む!
 そうだな……。2個と4個に分けて攻撃だ。[16][1256]サツバツは出なかったか……。1個と2個成功。

バグズガズラー 1撃目で回避ダイスを削ってサツバツを当てる算段だったみたいだな。

NM 狙い通りにはならなかったが、連続攻撃が両方成功している。ダメージ無しで切り抜けられるか?

サルファーヘッド 俺はさっき『連続側転』してるから回避ダイスが6あるんだぜ? 3個づつで回避はそんなに難しくねえよ。[124][124]グワーッ両方喰らった!

ドヤスナックル 見事なフラグ立てとフラグ回収だ。

NM よしよし。ギミックが活きたな。流石に何も出来ないままむざむざとやられはしないぞ。

「イヤーッ!」「SHHH!」
「グワーッ!」
 バグズガズラーの振るうバイオハエジゴクに胴体を挟まれ、アーバンホエールは絶叫! 牙を喰い込ませる捕虫葉を押し返し、辛くも致命傷を避けて脱出する。
「ヌウーッ」
 3人のニンジャによる猛攻は苛烈。この場で全てを捌き切るのは得策ではない。
 アーバンホエールは状況判断し、囲みを脱出。その先に立ちはだかるニンジャ、すなわちサルファーヘッドに攻勢を掛ける。

「イヤーッ!」
 一挙動でワン・インチ圏内に潜り込むアーバンホエール。長大なツーハンドフランベルジュは、その急激な間合いの変化に対応出来ない!
「グワーッ!」
 素早く突き込まれたアーバンホエールの拳銃。鋭いベイオネットの切っ先が、サルファーヘッドの脇腹に刺さる!
 BLAMN!
「グワーッ!」
 逃れようとするサルファーヘッドに発砲! サルファーヘッドは仰け反り、リムジンの上から転げ落ちそうな自身の身体を懸命に支え、踏み止まった。

サルファーヘッド 結構なダメージを喰らっちまった。まあ、とにかく予定通り『フェイント斬撃』だ。アーバンホエールの回避ダイスを1個減らして、これで奴は回避出来ない。
 攻撃の難易度が上がるが、『攻撃集中』で元のままだ。[1166]……おっ、サツバツだ。[6]……あ、心臓貫通。

NM はぁぁあああああ!? ……アーバンホエールはツーハンドフランベルジュに心臓をぶち抜かれて爆発四散。……戦闘は終了だ。

「ザッケンナコラー!」
 浅からぬ負傷を強いられ、サルファーヘッドは怒りに満ちて絶叫! アーバンホエールを輪切りにするべく、ツーハンドフランベルジュを振り被る。
「馬鹿が! 間合いも分からぬか!」
 アーバンホエールは嘲笑し、サルファーヘッドの急所に狙いを定め、隙が生じる瞬間を待つ。

「チョト・シッケイ!」
 アーバンホエールの視界から刃が消える。代わりに映るは、サルファーヘッドの背中!
「ヌウッ!?」
 次の瞬間、波打った白銀の光が迫り、アーバンホエールの胸板を貫く!
「グワーッ!」
 アーバンホエールは絶叫!

 サルファーヘッドはツーハンドフランベルジュを振り被りながら瞬間的に反転。神輿担ぎめいた体勢で、『背後の』アーバンホエールに肩越しの刺突を放ったのだ。

 攻撃の起点を遠ざける事で至近距離の隙を埋めると共に、自身の身体で剣身を隠し、闇討ちめいた一撃を見舞う。
 ヤヤ・シツレイ・ツキ! 悪辣にして恥知らずな外法イアイドだ!

「アバーッ! オゴゴゴゴゴーッ!」
 全身を震わせ吐血するアーバンホエール。
 サルファーヘッドは振り向き、明らかな致命傷を負い力を失いつつある襲撃者を見やった。

「フヘヘ。そういやあ、アイサツがまだだったなあ」
 サルファーヘッドは奇妙な事を口にした。そして、片手で剣を支えたまま、自身の懐を探り……1枚の紙片を、アーバンホエールに見せ付けた。

「ドーモ、アーバンホエール=サン。俺達の護衛対象、ネコソギ・ファンド係長のアシタダ・ヤタウジ=サンです」

 死にゆくアーバンホエールは、それを……サルファーヘッドが示した名刺を、視界に入れ、目を見開いた。
「係長?係長だと……?まさか、偽の情報を掴まさアバーッ!」

 心臓を貫いたツーハンドフランベルジュを力尽くで振り上げるサルファーヘッド。アーバンホエールは鮮血を噴きながら跳ね上がり、宙を舞う。

 そして、

「サヨナラ!」
 アーバンホエールは爆発四散。イクサは終わりを告げた。

サルファーヘッド この状況で、万札は回収出来るのか?

NM 通常は出来ないってシナリオに書いてあるけど、あんまり見事にクリアしてくれたから、報酬に計上してあげよう。
 あ、残虐ボーナス振っといてな。

サルファーヘッド そいつは有り難い。残虐ボーナスは[3]万札3だな。



NM アーバンホエールが乗って来たリムジンは、急激にスピードを落とし始めた。すぐに自分達のリムジンに移らないと、引き離されてしまうだろう。
 ただ、リムジンの運転席には、当然ながらこのリムジンを走らせている運転手がいる筈だ。

ドヤスナックル 刺客を始末した以上、長居は無用だ。戻って任務を終わらそう。

NM 運転手には構わないんだね? では、君達は社重役会議が開かれるビルへと辿り着き、ヤタウジを会議室に送り届けた。
 重役会議はつつがなく始まり、襲撃による損害は皆無。君達の任務は文句無しの完全成功で終わりを迎えた。



NM では報酬に入ろう。君達は、護衛任務の責任者であるヘルカイトに助けを求める事無く、自力でアーバンホエールを爆発四散せしめた。
 報酬は万札36。アーバンホエールから得られる筈だった万札を上乗せして万札48だ。
 全部山分けでも良いし、アーバンホエールの分はサルファーヘッドの総取りでも良い。

サルファーヘッド→プレイヤーB 全部山分けにするか。残虐ボーナスの分、どっちみち俺の取り分が多いしな。

NM それは殊勲賞的な意味合いでゲートキーパーから支給されたのかな。

ドヤスナックル→プレイヤーA じゃあ、俺達が万札16。サルファーヘッドは万札19をゲットって訳だな。

 ドヤスナックル:万札17
 サルファーヘッド:万札19
 バグズガズラー:万札16

バグズガズラー→プレイヤーC 前回の様なトレジャーは無かったが、なかなか良い実入りじゃねえの。

NM そして、君達は全員【名声:ソウカイヤ】を2得る。活きの良いニュービーとして、君達を記憶に留める上位のニンジャもいるだろう。
 また、君達に襲撃者をなすり付けたヘルカイトから目を付けられる可能性もあるかも知れないね。

プレイヤーA あんまり愉快じゃないなあ……。

NM まあ、今後のシナリオ次第だね。
 今回のシナリオも色々考える事があったけど、余暇の処理をするときに触れるとして、一旦締めよう。
 有難うございました。

プレイヤーA プレイヤーB プレイヤーC 有難うございました。

第1集第1話アフター編<<戻る>>第1集第2話アフター編











inserted by FC2 system